『手作りヨーグルト』って知ってますか?
ヨーグルトメーカーを使用すると、牛乳からヨーグルトが簡単に作れちゃうんです!
一昔前に流行った気がする手作りヨーグルトですが、R-1ヨーグルトやガセリ菌SP株ヨーグルトなど、より健康に良い、機能的なヨーグルトが続々登場し、手作りヨーグルトへの関心も高まっています。
手作りヨーグルトは牛乳パックそのままで作れるからすごく簡単!
自家製ヨーグルトでコスパ最強のヨーグルトライフを送ろう!
今回は手作りヨーグルト歴5年になる僕が、ストレスフリーで簡単な自家製ヨーグルトの作り方と、自家製ヨーグルトに関する疑問・コスト比較などについて解説します!
手作りヨーグルトを作る前に
手作りヨーグルトは雑菌が入るのを防ぐため、毎回容器やスプーンを煮沸消毒したり、種菌のヨーグルトを入れてスプーンで撹拌したりと、なにかと面倒な工程が多いです。
これらの面倒な工程が嫌になって手作りヨーグルトをやめた方も多いのではないでしょうか?
安心して下さい!
今回紹介する方法は、面倒な工程はありません!
準備するもの
・牛乳(成分無調整)
普通の1リットル紙パックの牛乳です。基本は成分無調整の牛乳です。
・種菌(ヨーグルト)
種となるヨーグルトです。市販のヨーグルトでOK。
好きなヨーグルトを選べばいいと思いますが、出来ないものも有りますのでご注意下さい。ドリンクタイプのものが混ぜやすく保存しやすいのでおすすめです。
種菌にするヨーグルト各種の説明は後述します。
・ヨーグルトメーカー
手作りヨーグルトの必須アイテム、ヨーグルトメーカーです。ヨーグルトメーカーはいろいろありますが、牛乳パックをセットするだけのヨーグルトメーカーが簡単かつ衛生的です。
おそらく今一番売れてるのがコレ。主な機能としては、以下になります。
- 25℃~65℃まで1℃刻みで調節可能
- 1時間刻みでタイマー設定可能(最大48時間)
- 飲むヨーグルトコースなど自動メニューも豊富
今のヨーグルトメーカーって昔と違って機能が豊富!
昔のヨーグルトメーカーと比べると性能が段違いに向上しています。
・牛乳パック用キャップ
こいつがあると牛乳パックをしっかり閉じられるので、けっこう重要な存在です。ストレスフリーなヨーグルト作りのキーマンです。
僕はコレを使っています。百均にも牛乳パック用キャップはありますが、スライドタイプが使いやすいのでおすすめです。
・消毒用アルコール
手作りヨーグルトの鬼門なのが煮沸消毒ですよね。これが面倒だった人は多いのでは?
消毒用アルコールを使えば、面倒な消毒作業が簡単に終わります。ストレスフリーなヨーグルト作りの第二のキーマンです。
コロナ以降は多くの家庭でアルコールスプレーが常備されていると思うので、食器などにも使えるものならそれを使いましょう。
・ヨーグルト用スプーン
自家製ヨーグルトユーザーの為に作られたスプーンで、柄が非常に長く、先端が平たい形状で牛乳パックからヨーグルトをすくいやすいです。
個人的には青芳のヨーグルトスプーンをおススメします。価格分の仕事は間違いなくしてくれます。
これの有無で自家製ヨーグルト生活のQOLが5段階中2段階は変わります。
100均にもプラ製のヨーグルトスプーンがありますが、品薄かつ青芳に比べ柄が短いので僕は青芳派です。
種のヨーグルトはドリンクタイプがおすすめ
種菌となるヨーグルトはなんでもいいんですが、せっかくならR-1ヨーグルトなどの価格の高いものを量産したいですよね。
初めての人におススメするのはドリンクタイプです。
ドリンクタイプをお勧めする理由は、主に以下の点です。
- 牛乳パックに注ぐだけなので入れやすい
- 液体なので混ぜやすい
- スプーンを使わないので衛生的&保存しやすい
ヨーグルトは開封後も1周間程度なら冷蔵庫で保存可能なのですが、固形タイプだとどうしてもスプーンを使うので衛生面が気になります。ドリンクタイプならキャップするだけなので保存が楽です。
110mlのドリンクタイプ1本で2回分(1回あたり約55ml、牛乳1Lの場合)のヨーグルトが作れますよ!
もちろん1本で1回分でもOKです。最初はコチラの方が失敗が無いかもしれません。
110mlを3~4回に分けても作れるかもしれないけど、ドリンクタイプの保存期限や、成功率(種ヨーグルトの量)を考えると1~2回分が丁度いいと思う。
例えば、ドリンクタイプのヨーグルトを一本130円、牛乳を一本200円で計算すると、1㍑あたり約330円で作ることが出来ます。市販のR1ヨーグルトより圧倒的に安いですね!
種菌としておすすめのヨーグルトをいくつか紹介しておきます。
・明治プロビオヨーグルトR-1
免疫力を上げ、風邪やインフルエンザの予防に効果があるとされているヨーグルト。手作りで作るときは牛乳1Lに対して砂糖を30gほど加えるとR-1乳酸菌が増えやすいとの事。(明治の特許公報参照)
・ダノンビオ
生きたまま腸までしっかり届く乳酸菌BE80が入っているヨーグルトです。整腸作用に効果ありです。
・恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト
定着率の高い乳酸菌「ガセリSP株」が入っているヨーグルトです。整腸作用に加えて、コレステロールの吸収を抑え、内臓脂肪を減らすダイエット効果まであるとの事。神かコレ?
早速作ってみよう!
ヨーグルトは冷たすぎると乳酸菌が活性化しないので、冷蔵庫から出しておきましょう。
でも面倒だと思うので作る直前に出すくらいでいいです。
ドリンクタイプの場合はよく振っておきましょう。1本で2~3回分使う場合はラベルも剥いでおいたほうが分量が分かりやすいです。
ヨーグルトが固形タイプの場合や、ヨーグルトに砂糖を加える場合などは、スプーンを使うと思います。スプーンはしっかりとアルコール消毒して下さい。
牛乳をレンジでチン!
まずヨーグルトと牛乳を冷蔵庫から取り出し、牛乳1L(未開封)をレンジでチンします。
2分くらいチンしました。
乳酸菌は40℃前後を好むので、冷蔵庫から出した牛乳は冷たすぎます。
25~30℃くらいまでレンジでチンして温めましょう。
パックごと600wで2分ほど加熱すればOKです。怖い人は1分ずつ刻んでチンしましょう。
50℃とかまで温め過ぎると乳酸菌が死ぬので温め過ぎには注意しましょう。
レンジでチンの工程は絶対に必要では無いから、気になる人はやらなくてもOK。
牛乳の温度が30℃くらいからスタートした方が成功率が高いというだけです。
牛乳を温め終わったら、手指、スプーンをしっかりとアルコール消毒しておきます。
牛乳パックを開けてヨーグルト投入
牛乳パックを開きます。普通に牛乳を開封する時の開け方で両側を開ければOKです。(ドリンクタイプの場合片側だけでもOK)
雑菌がつくので開くときにパックの内側には触れないようにして下さい。
パックを開いたら、種菌となるヨーグルトや、砂糖を投入です。
投入量の目安は、ドリンクタイプの場合、半分~全部です。
個人的におすすめの投入量は半分。半分でも十分に固まる上に、砂糖30gを入れても牛乳パックから溢れないから。
今回は目測で大体半分くらい入れました。残ったドリンクはフタをして冷蔵庫へ
R-1ドリンクはキャップなので閉じやすいですが、ガセリ菌SP株はヤクルトみたいなアルミ蓋なので全部はいでしまったらラップなどで閉じるとよいです。
俺はメンドクサイからアルミ蓋を半分開いて注いでまた閉じてるよ!(意外とイケる)
投入が終わったら、パックを閉じて、シェイクです。
フタを押さえてしっかり振る
閉じた部分をしっかりと手で押さえながら、上下に振って混ぜます。
牛乳パックの握り方は、↓の握り方で握るとこぼれにくいと思います(経験則)
指と手のひらでパックのフチを握りこむ感じです。
しっかり全体に混ざっているかどうかで成功率が大きく変わるよ!
ドリンクタイプの場合軽く振れば全体に混ざります。
砂糖を入れている場合や固形タイプの場合、しっかり振りましょう。
フタ部分からこぼれてこないか不安ですが、よっぽどの事がなければこぼれません。しっかりとフタを握りながら振れば大丈夫です。
逆さまで振る場合は握力無いとこぼれるので気を付けましょう。男性なら1秒くらいは大丈夫だとは思います。
しっかり押さえとけば大丈夫だよ!
振り終わったら、キャップがあればキャップをします。
ヨーグルトメーカーへセット!
ヨーグルトメーカーに牛乳パックをセットし、電源を入れます。
僕が使っているヨーグルトメーカーは8時間で電源が切れますが、8時間ジャストだとまだゆるい時もあるので、そういう時は再度電源を入れて2~3時間追加すればOK
ヨーグルトの発酵具合は様々な条件(ヨーグルトの種類や量、温度・湿度、etc…)で変化するので、最適解を見つけましょう。
8時間後・・・
ハイ出来上がりです。
出来たヨーグルトは、冷蔵庫へ入れて4時間くらいは冷やしたいですね。しっかり冷やしたほうが美味しいです。
冷やした後は消毒したスプーンですくうか、箸で混ぜほぐしてから牛乳を注ぐ要領で注げばOKです。(後者の場合容器のふちがべちゃべちゃになるので気にならない人向け)
個人的におススメなのは『青芳 casual product ヨーグルトスプーン』です。
柄が非常に長くこんな感じ↓で保存できるので衛生的かつ取り出しやすい。これが有るだけで自家製ヨーグルト生活のQOLが2段階は向上します。
手作りヨーグルトの疑問や注意点
手作りヨーグルトは簡単ですが、疑問も多いと思います。
よくある疑問をまとめたので、迷っている方はどうぞ!
成功or失敗の見分け方
作ったヨーグルトが成功したのか失敗したのか最初は分かりませんよね。
見分け方の目安としては、
- 固まっている
- 全体が白く、色のついた斑点がない
- 美味しい
一番わかり易い失敗は、カビですね。色のついた斑点がある場合、それはカビです。雑菌が増えすぎたことが原因です。失敗なので捨てましょう。
牛乳パックで自家製ヨーグルトを作って4~5年、数えきれないくらい作ってきたけどカビで失敗だったパターンは無いかな。
全然固まってなかったみたいなパターンはあるけど、カビはない。
博士
自家製ヨーグルトでカビが発生してしまうパターンは容器やスプーンの消毒が不十分な事が原因のほぼ全てです。
牛乳パックヨーグルトなら、容器の消毒は不要ですから、失敗する確率はかなり低いと思います。
『種菌を入れる時』と、『完成後ヨーグルトを取り出す時』の手指とスプーンの消毒さえしっかりしておけばOKです。
なるほど~
手軽で衛生的な牛乳パックヨーグルトが最強って事だね
(突然博士出てきた…)
斑点がなく、固まっていれば、基本は成功です。しかし、食べてみて変な味がするのであればやめておきましょう。
固まるのは最後の3時間
8時間経ったのに固まってないからといって、必ず失敗ではありません。
ヨーグルトが固まりだすのは発酵最後の3時間です。
例えば、
- 種が少ない(乳酸菌が少ない)
- 温度がベストではない
などの理由で、ヨーグルト完成までに15時間が必要な場合、ヨーグルトが固まりだすのは12時間経過した段階からです。
諦めずにそのまま温めましょう。
また、途中で振ると失敗する確率が上がるのでやめましょう。
本当にコスパはいいのか?
コスパに関しては間違いなく良い。
例として、R-1ヨーグルトを毎日飲む(食べる)と仮定して計算してみましょう。
R-1は固形が110g、ドリンクが112mlなのでどちらも110ml(≒110g)と仮定。1つあたり価格は100円~150円なので130円、牛乳1Lを200円と仮定します。
・自家製しない場合
R-1ドリンクを毎日1本飲むので、130円×日数分のコストがかかります。
・自家製する場合
R-1ドリンク全量を種とする場合、約1LのR-1が生成出来ます。牛乳1本+R-1ドリンク(1本)で合計330円。これはR-1ヨーグルト9個分に相当(1000ml ÷ 110ml =9.0909…)し、1個あたり価格は36.7円です。
R-1ドリンク1本を2回に分けて種とする場合、約2LのR-1が生成できます。牛乳2本+R-1ドリンク(2本)で合計530円。これはR-1ヨーグルト18個分に相当(2000ml ÷ 110ml =18.1818…)し、1個あたり価格は29.4円です。
種2-3分割の方がコスパはいいけど、賞味期限の問題もあるから注意だね
2分割なら18個分のヨーグルトが出来るけど、1日1個分で18日間食べてたら高確率で腐る。消費量が多い人や家族向けだね。
ランニングコストがどれくらい違ってくるのか表にしてみました。
1個あたり価格 | 30日 | 60日 | 365日 | |
R-1購入 | 130円 | 3900円 | 7800円 | 47500円 |
自家製 (種1個) | 36.7円 | 1100円 | 2200円 | 13400円 |
自家製 (種2分割) | 29.4円 | 880円 | 1760円 | 10700円 |
自家製 (種3分割) | 27円 | 810円 | 1620円 | 9900円 |
自家製の場合はヨーグルトメーカーや諸々の購入に初期費用が2500~4000円程必要ですが、長く続けるなら自家製一択なのが表からも分かると思います。
元のヨーグルトと同じ効果は得られるのか?
完全に同じものは作れないので、同じ効果は得られない。
自家製ヨーグルトはあくまでも自家製であって、製品と同じものではありません。
簡単に言うと、製品製造時と同じ材料・条件で発酵させれば、同じヨーグルトになりますが、それは製品ごとに異なる上に家庭では出来ない条件や材料もあるので同じものは基本的に作れないと考えて良いです。
同じものが作れない以上、同じ効果を得られるかと聞かれれば、NOです。
しかし、狙った乳酸菌をうまく増やせていた場合、同等か準じる程度の効果を期待できる可能性はあります。
博士
ヨーグルトの種類によっては特殊な条件下での発酵を必要とする乳酸菌もいます。
例えば、LG-21乳酸菌は偏性嫌気性菌(酸素下で死ぬ)なので、酸素に触れる自家製ではほとんど増えないと言われています。
LG-21ヨーグルトを自家製して出来るのは普通のブルガリアヨーグルトです。
これでは自家製する意味があまり無いですよね。
なるほど~
たしかに家で全く同じものが出来れば商売あがったりだよね
博士
しかしR-1ヨーグルトについては、メーカー側も
『自家製ヨーグルトだと製品と同等の有効成分を含まないと考えられる』
と回答を濁すだけなのでR-1ヨーグルトは自家製でも一定の効果を期待できるのではないか?と言われています。
仮に自家製でR-1を増やせるとして、メーカー側は増やせないなんてウソはつけない。かといって正直に言ってR-1密造を許容するわけにもいかない。
世はまさに大ヨーグルト密造時代(?)ってわけか!
種の使いまわしはおススメしない
手作りヨーグルトを、また次の手作りヨーグルトの種にすることも勿論可能です。
ただ、個人的には以下の点から種の使い回しは全く推奨していません。
- 雑菌の量が増えて成功率が下がる
- 元のヨーグルトと違うモノになっていく可能性が高い
- 労力に見合う程のコスパがない
・雑菌の量が増えて成功率が下がる
工程上、種を保管するときにどうしても雑菌が入ってしまいます。
1回目、2回目なら大丈夫かもしれませんが、世代を経るごとに雑菌が増えて失敗する可能性が高くなってしまいます。
・元のヨーグルトと違うモノになっていく可能性が高い
こちらは先述の『もとのヨーグルトと同じ効果は得られるのか?』の内容とほぼ同じですね。
自家製ヨーグルトを作る目的が、商品の特徴である乳酸菌(1073R-1乳酸菌、ガセリ菌SP株、etc…)を摂取する事である場合の話です。
自家製ヨーグルトは製品のヨーグルトと同じ製法で作られているわけでは無いので、狙った乳酸菌がうまく増えていない可能性があります。
世代を経るごとに狙った乳酸菌が減り、思った効果が得られないかもしれません。(ヨーグルトの一般的な乳酸菌による整腸作用などはある)
・労力やデメリットを超える価格メリットがない
種を使い回すデメリットは上述したとおりですが、それを上回る価格的メリットがあるのかというと、そうでもありません。
R-1ヨーグルトで計算してみましょう。
1回目は130+200=330円、2回目以降は牛乳のみの200円で毎回900mlを生成できます。(1000ml生成して100mlを次の種に使用。)
これを10回繰り返すと、トータルの費用と作れるヨーグルト(種除外)は、
330+200×9=2130円、900×10=9000mlです。9000mlはR-1ヨーグルト約82個分に相当します。1個当たりの価格は約26円です。
計算式上、繰り返す回数が増えるほど1個価格は200 ÷ (900÷110) = 24.4円に収束していきますが、10回繰り返してやっと1個26円です。
種を保管する労力や、上述したデメリットを超える価格的メリットはそれほどありません。
R-1ヨーグルト1本を分割して2~3回分の種とした方がデメリットが無く、コストも(使い回しと比べて)大差ないです。
まとめ
今回の記事は以上です。まとめとしては、以下になります。
皆さんもヨーグルト生活を始めてみませんか?