意外と知られていない次世代ノートPC、Chromebook(クロームブック)ですが、実はライトユーザーにこそおすすめしたい良品なんです!
コストパフォーマンスに優れるノートPCをお探しの方は選択肢の一つに加えてみてはいかがですか?
今回はそんなChromebook(クロームブック)のメリット・デメリットを紹介します!
Chromebookとは?
Chromebookっていきなり言われても何がなんだか・・・。という方もいると思います。
まずはChromebookについて分かりやすく説明していきましょう。
クラウド時代の革命児
Chromebook(クロームブック)とは、『google chrome OS』を搭載したノートパソコンの事です。
知名度のあるOSと言えばwindowsとmacの2つですがChromebookのOSはそのどちらでもありません。ChromebookはLinuxというオープンソースのOSをベースにした”Google Chrome OS”という独自のOSが入っています。この”Google Chrome OS”の特徴は、基本的にGoogle Chrome しか使えない、ということです。
クロームクローム言いすぎて何が何だか・・・。という方のために各種解説です。
- chromebook
クロームOSを搭載したノートパソコンの事 - chrome OS
googleが開発したOS(オペレーティングシステム)で、windowsやmacと同じ括り。 - google chrome
webブラウジングソフト。インターネットエクスプローラー(IE)やファイアフォックスと同じ括り。
windowsやmacだといろんなソフト(ワードやエクセル、画像編集ソフトやwebブラウジングソフト)をインストールして使っていますよね。chrome OSの場合それがgoogle chromeしか使えないということです。
Chromeしか使えない!?駄目じゃん!!!!と思うかもしれませんが、よく考えてみてください。YoutubeもSNSもメールも、すべてWebブラウザ上で使用できます。実はExcelやWordもいまやブラウザ上で起動して利用できるんです。
また、データはすべてクラウド上に保存するためハードディスクに容量はほとんど必要ありません。本体にデータを蓄積しないので、だんだん動作が重くなることもありません。
余計なものを削ぎ落とし、シンプルに”機能”だけを追求した次世代ノートPCこそが、Chromebookなんです。
アメリカではシェア急増中
2011年の米国での発売当初、Chromebookは世間から売れないと予想され、事実売れませんでした。新しいOS、新しいシステムが受け入れられるのには時間が掛かるし、何よりChromebook自身まだ発展途上だった訳です。
2014年、Chromebookは薄く、軽く、安価でバッテリー持続時間も向上し、対応するアプリの種類も増えました。その結果、chromebookの売上は大幅に伸び、教育機関などの法人での導入、個人での利用も増え、米国でのノートPCシェアの35%を獲得するまでに成長しました。
2017.3.4追記
2016年の米国のk-12市場(幼稚園〜高校まで)でのノート/タブレット出荷部門で前年比18%増となり、教育機関市場でのシェアはさらに伸びています。詳細はこちら
日本ではまだあまり広がりを見せていませんが、北米、ヨーロッパ各国や東南アジアで売上を伸ばしているようです。
Chromebookの6つの魅力
さて、それではChromebookの魅力について説明していきます。
安価、軽量、バッテリー長持ちでコスパ最強
サイズにもよりますが、現在生産されているものは900g〜1400gと軽量で、非常に持ち運びに優れています。また、バッテリー駆動時間も9〜10時間程が平均で、1日充電せずに使用するようなシーンでも安心です。
更に、Chromebookの平均価格は3〜4万円前後です。安いものは25000円以下でも新品を購入することが出来ます。
これだけコストを抑えられる理由は、余計なソフトが入っていない点、OSがフリー(無料)な点です。同スペックのwindowsノートよりも価格が安いことが強みですね。
スペックが低くてもサクサク快適
余計なソフトが入っていませんから、スペックが低くても快適なWebブラウジングが可能です。この価格でこの動作性能は非常にコストパフォーマンスが良いですね。
また、PC本体にデータをほとんど蓄積しないので、PCが重くなっていくストレスもありません。
Webブラウジングがメインなのに、オーバースペックのPCを使っている方は多いと思います。そういう方には是非おすすめしたいですね。
起動・終了が爆速
とにかく起動・終了が早いです。起動はノートを開いて10秒もかかりません。何故かというと、起動に要するプロセスが圧倒的に少ないから。
windowsの起動のプロセスは、
電源on →CPUやメモリの初期化 →ハードウェアの初期化 →ブートローダー起動 →etc…(他9項目) →ブラウザの起動
chromebookの起動プロセスは、
電源on →CPUやメモリの初期化 →ハードウェアの初期化 →ログオン画面 →ブラウザ起動
windowsの起動が合計14項目を経て起動するのに対して、ChromebookはOSが非常にシンプルなため、合計5項目と起動プロセスが非常に短いです。これによってノートPCとは思えない程の高速起動・高速終了を可能にしています。
充実の拡張機能
Google chrome専用のアプリストアである『Chromeウェブストア』にて多くのアプリ、アドオンを無料で入手できます。
ウェブストアでは、Microsoft office のワード, エクセル, Powerpointは勿論、EvernoteやPocketなどの便利なメモ系アプリ、更にはLINEなども使用することが出来ます。
自分好みにカスタマイズすることでChromebookはどんどん使いやすくなっていきますよ!
2017.3.4追記
グーグル公式でChromeOSとAndroidOSの統合が発表されました!今後はchromebook上でもAndroidアプリを起動できるようになります。スマホアプリが使えるようになることで拡張性がさらに広がるでしょう。詳しくはコチラ
クラウドでデータ管理
クラウド(オンラインストレージ)でデータを管理するため、破損、紛失などによるデータ紛失のリスクはありませんし、買い替え時の面倒なデータ移行作業も必要ありません。
また、Chromebook購入時にはGoogleが1台ごとに100GB以上のオンラインストレージを2年間無料で提供してくれます。さらに、期限が切れたあとも、既に保存していたファイルに対してはダウンロードが可能です。
また、どうしてもローカルディスクが保存したいという場合は、SDメモリや本体に保存することも可能です。
セキュリティ対策が不要
これもchromebookの大きな魅力の一つです。chromebookは自動アップデートにより常に最新のセキュリティを保ってくれます。
また、個々のWebページとアプリはサンドボックスと呼ばれる限定された範囲内で起動しているので、仮にウイルスに感染したページを開いても、他に影響が広がることはありません。
ウィルス対策ソフトを別途購入する必要がないので、ランニングコストも非常に安いですよね。
米国教育機関でのシェア普及の大きな要因の1つがコレなんじゃないでしょうか?
Chromebookのデメリット
オフラインだと出来ないことがほとんど
ほとんどすべてをWeb上で起動するため、オフラインだと何も出来ない場合が多いです。
例えば、WindowsやMacはオフライン状態でも画像編集ソフトや各種インストールしたソフト(Word.Excelなど)が使用できますが、ChromebookだとWeb上でアプリを起動してから利用するので、使用できません。(Word, Excelと互換性のあるGoogleドキュメント, Googleスプレッドシートなど一部はオフラインでも使用可能で、少しずつ追加されています。)
オフライン環境での作業が多い場合は、Chromebookは適さないかもしれません。
とはいえ、これはWindowsやMacでも言えることですよね?僕達は生活の中で、インターネットに繋がずにPCやスマホをどれくらい使っているでしょうか?インターネットに繋がないと何も出来ないChromebookですが、もともとPC、スマホにとってインターネットはほぼ必須の条件ですよね。
Windows, Macのアプリ(ソフト)が使えない場合がある
Chrome Webストアには無料のアプリが充実しています。とは言っても、ChromebookのOSはまだ歴史が浅いので、既存のWindows版、Mac版のアプリケーションが全てChrome OS版でもサポートされている訳では有りません。そのため、Chrome OSでは使えないソフトも有ります。
しかし、現在もWebストアには多くのアプリが追加されていますし、似たようなアプリは探せば大抵の場合あります。
どうしてもWindowsのこのアプリが使いたい!というような場合は、Chromebookはやめておきましょう。
クラウド対応プリンターでないと印刷が面倒
出典:atmarkit
アプリと同じく、Chrome OSはまだ歴史が浅いので、周辺機器も対応しているものが少ないです。特にプリンターは、Googleクラウドプリントに対応したプリンターでないと、印刷に手間がかかります。
対応プリンターがない場合、Windows, MacのPCを一度経由して印刷するか、組織の場合はWindowsプリントサーバーにGoogleクラウドプリントドライバを追加して使用可能な状態にします。
大手メーカーの最近のプリンターにはクラウドプリント対応なものも多いですが、まだまだ少ないのが現状です。印刷が少ないならネットプリントや他PCを経由しての印刷、自宅のみの印刷ならプリンターの購入で対応できますが、不特定の場所での印刷シーンが多いのでしたら、Chromebookはまだやめておいたほうが良いかもしれません。
日本では実店舗での販売がかなり少ない
残念ながらchromebookはまだ日本では実店舗での販売があまりありません。
個人的に考えられる理由としては、2つあります。
1つは、そもそも認知されていないため需要が無いということ。2つ目は、chromebookがwindowsやmacとは違うということを正しく理解できておらず、購入後にトラブルになるケースが予想されるためです。
販売する側もchromebookを理解しておく必要がありますからね。
とはいえ、都心部の大型家電量販店などでは一部取り扱いがあるケースも増えてきているようですから、実際に触って見たいという方は、調べてみるといいですよ!
まとめ
Chromebookの魅力は伝わりましたか?
アメリカではあと数年すればchromebookが圧倒的なシェアになると個人的には予測しています。そしてそうなってようやく日本にも大々的に上陸するでしょう。
こんな人におすすめ!
まとめるとChromeookはこんな方におすすめです。
- 携帯性に優れる2台目としてのノートPC を探している
- SNSや調べ物、YOUTUBEなどWeb閲覧がメイン
- 文書入力作業がメインで、タブレットよりノートがいい
- Googleサービス(Gmail,Googleドライブ)に日頃から慣れている
自宅にはデスクトップPCがあり、外出時のサブマシンとしてノートPCを探しているが、ブラウジングや文書入力がメインなので、多機能なものはいらず、コスパのいいものがほしい方にはぴったりです。Gmailなんかも利用しているとなお良しですね。
時代はハードからソフト(サービス)へ
ファッション業界でノームコアが流行した背景には、ソーシャルネットワークの波が関係しているそうです。個人の中身は外見からでなくともSNSで知ることが出来ますよね?普通のサラリーマンが、実はある分野では有名な人物だった、なんて事が起こるようになったわけです。見た目に違いを見出すことがナンセンスになったのです。これと同じことがあらゆる業界で発生しています。
これからの時代を生き残るのは見た目のハードではなく、中身であるソフト(サービス)という事ですね。
Chromebookの普及は、まさにハードからソフトへの移行だと言えるんじゃないでしょうか。