寝袋が活躍する季節になってきましたね!でも、初めての購入だと分からないことも多いです。
どういうものを選べば良いの?
封筒型とマミー型って?
ダウンと化繊どっちがいいの?
etc…
いろんな疑問がありますよね。
今回は寝袋, シュラフに関する基礎知識、疑問、選び方についてしっかりとまとめてみました。
寝袋の種類
寝袋, シュラフ, スリーピングバッグなど、様々な呼び方がありますが、日本語、ドイツ語、英語の違いで、意味は同じです。
寝袋は大きく分けて封筒型とマミー型があり、中綿の種類も化学繊維とダウン(羽毛)があります。
まずはそれらについて説明しましょう。
寝袋の構造による分類
・封筒型
長方形で布団に近いタイプで、一般的に寝袋というとこちらをイメージされる方が多いと思います。
メリットとして、
- 形状が布団に近く、圧迫感がない。
- 価格の安いものが多い
- 連結させたりと、大人数での使用も可能
デメリットとして、
- 密着性が弱いため寒冷地には不向き
- マミー型と比べ重く、収納サイズの大きい物が多い
以上の点が封筒型の特徴になります。
・マミー型
写真のようにさなぎ形に縫製されたもので、ミイラ(マミー)が語源となっています。シュラフや登山用というとこちらをイメージされるのではないでしょうか?
メリットとして、
- 軽く、コンパクト
- 密着性が強いため、寒冷地に向いている
デメリットとして、
- 値段の高いものが多い
- 比較的圧迫感があり、寝返りをうちづらい
以上の点がマミー型の特徴になります。
寝袋の素材と特徴
寝袋の温かさで重要なのが、中綿の素材です。中綿素材は大別して化学繊維とダウン(羽毛)に分類できます。
・化学繊維
出典:http://japan.busytrade.com/
化学繊維にも様々な素材があり、いろいろな特徴があるのですが、一般的には以下の特徴があります。
メリットとして、
- 普通の洗剤で洗濯出来る
- 比較的値段が安い
- 水に強い
- 収納状態で保管可能
デメリットとして、
- ダウンと比べると保温力に劣る
保温力がダウンに比べると低いので、同じ保温能力の寝袋の場合、化繊の寝袋の方が重く、大きくなってしまいます。
・ダウン
高級で手入れが面倒なダウンですが、とても暖かく、本格的な寝袋はダウンのものが多いです。
メリットとして、
- 軽く、温かい
- 寝た時の感触が良い。
デメリットとして、
- 洗濯に専用の洗剤が必要
- 水に弱い(濡れると膨らまない)
- 比較的価格が高い
- 自宅で保管する際はある程度膨らます必要がある
- 保管状態が悪いとカビが生えてしまう
箇条書きにするとダウンはデメリットが多く感じてしまいますが、逆に言うと、軽く、コンパクトで温かいというアドバンテージには、それだけの価値があるとも言えます。
封筒orマミー?化繊orダウン?
封筒型とマミー型、化繊とダウンの特徴は説明しましたが、結局どれを選んだら良いのでしょうか?
まず、封筒かマミーかですが、これは好みで選んで大丈夫です。
寝心地の封筒型か、収納性のマミー型か、好きな方を選びましょう。
そして、化繊かダウンかですが、最初は化繊を選んだほうが無難です。
ダウンの寝袋は保管や洗濯など、デリケートで扱いづらいです。
高レベルの収納性と保温性が必要になる登山や冬のツーリング以外では、あまりおすすめしません。
通常のオートキャンプやファミリーキャンプでの使用なら、化繊の方が圧倒的に向いていますね。
購入時のポイント
利用シーンを明確に
寝袋に限らずアウトドアギアを購入する際の基本ですが、とにかくどういう場面での利用を想定しているのかを明確にしましょう。
それがしっかりと出来ていないと、買い直して余計な出費をしてしまったり、夜凍えて眠れずにせっかくのアウトドアが楽しくなくなってしまうかもしれません。
快適仕様温度と限界使用温度
寝袋の購入の際、快適使用温度と限界使用温度というものをよく目にします。
どちらも名前通りの意味ですが、気をつけるべき点は、限界使用温度です。
限界使用温度は文字通り、これ以下の温度だとこの寝袋では危ないですよ、という温度です。
ですから、0℃の場所で寝る場合、限界使用温度0℃の寝袋で寝ると、まず間違いなく凍えます。
また、限界温度や快適温度などの算出方法は、メーカーなどによって異なりますが、基本的には外での活動から一枚脱いだくらいの格好を想定しています。
夏場のある程度の温度がある場合は凍えることもないでしょうが、冬場や夜冷え込む場所でのキャンプでしたら、限界使用温度+8度以上が快適な温度だとお考えください。(−15℃以下はこの限りではありません。)
夏用 or 3シーズン or 冬用
寝袋には、夏用の寝袋と、春夏秋の3シーズン用、冬用というものがあります。
オールシーズンの寝袋も無くはないのですが、冬と夏ではあまりにも環境が違うので、おすすめはしないです。
冬用は別に用意する、もしくは、インナーシーツなどを用いて保温力をアップさせるのが良いかと思います。(真冬は厳しいかもしれませんが)
逆に真夏は、寝袋無しでインナーシーツだけでも寝れますし、衣類で調整することも出来ます。
ですから、登山や真冬での使用をしないのであれば、3シーズン用&インナーシーツで、そこに真冬の使用をするのであれば冬用を別に揃えるというのが良いのではないでしょうか?
サイズは大きすぎないものを
サイズが大きすぎると、密着性が悪くなり、保温力が低下してしまいます。また、重量的にも重くなってしまうので、非効率です。
いろんなメーカーからいろんなサイズが出ていますので、あなたにあった寝袋は必ずあります。探してみてください。
マットと併用が基本
テントと寝袋があればテント泊はOKだと思っていませんか?寝袋と同じくらい重要なものに、マットがあります。
特に寒い時期は寝袋よりマットの方が重要で、マットを敷くことで、断熱性や寝心地が圧倒的に向上します。
寝心地もマットの有る無しでは大きく違うので、寝袋の購入とともにマットの購入も検討してくださいね!
枕やインナーシーツ、カバーなど、オプションも豊富
寝袋・マット以外にも、ピローケース(枕)やインナーシーツ、カバーなどのオプションも有りますよ。
エアクッションの枕はあると非常に快適ですし、インナーシーツは内部の汚れ防止、保温力UPに役立ちます。
枕があればマットの長さは短くてもよかったりするので、しっかり検討してくださいね!
おすすめの寝袋・シュラフ
厳選したオススメの寝袋を紹介しちゃいます。
限界使用温度で分けてあるので自分に合う温度帯の寝袋を購入してくださいね。
限界(最低)使用温度 10℃ 〜
限界使用温度が10度を超えているものは、基本的に夏用ですね。厚着をすれば3シーズンでも使えるかな、というところです。
CAPTAINSTAG(キャプテンスタッグ) プレーリー封筒型シュラフ600
使用サイズ:幅75×長さ185cm 収納サイズ:直径Φ20×高さ38cm
重さ:980g
快適温度:15℃
中綿:化繊
驚異的な安さと最低使用温度15℃という驚異的な低スペックを誇る寝袋です。完全に夏用ですね。
このレベルだともはや有っても無くても変わらん気はしますが、気分的に寝袋がほしい!だとか使い捨てでいい!って方にはオススメです。
Coleman(コールマン) パフォーマーC15
使用サイズ:約80×190cm 収納サイズ:Φ16×40cm
重さ:890g
最低使用温度:10℃
中綿:化繊
丸洗いが可能で収納もわりとコンパクトになるのが特徴ですね。
値段もキャプテンスタッグより高い分、縫製はしっかりしているようです。
限界使用温度 0℃ 〜 9℃
ココらへんがオートキャンプ3シーズンの定番ではないでしょうか?
夏場は暑いでしょうから広げたりと工夫をしてください。
Naturehike (ネイチャーハイク) シュラフ
使用サイズ:190×75cm 収納サイズ:Φ12×29cm
重さ:700g
最低使用温度:9℃
中綿:化繊
中華ブランドのネイチャーハイクの寝袋です。中華ブランドと言っても、香港ですので、以外にも洗練されたデザインです。ここの製品は値段が安くて性能はまずまずなギアが多いですので、結構良いですよ。
この寝袋の特徴は、とにかくコンパクトなこと。
最低使用気温が9℃ですが、相当ペラペラなので気温15℃以上の環境で使用するといいと思います。
夏場や春秋の涼しい気候がメインでしたら、コレで揃えるとかなりコンパクトになりますよ!
LOGOS (ロゴス) 丸洗い寝袋ナバホ柄
使用サイズ:190×75cm 収納サイズ:Φ24×37cm
重さ:1.4kg
最低使用温度:6℃
中綿:化繊
最近は可愛いデザインで人気の有るロゴスの寝袋です。
ナバホ柄(どっかの民族柄)をモチーフにした寝袋で、落ち着きのある色合いながらも可愛いデザインで男性でも女性でもご利用いただけると思います。
また、特徴として洗濯機での丸洗いが出来ますので、衛生面も問題有りません
LICLI リクライ 丸洗い寝袋
使用サイズ:210×75cm 収納サイズ:Φ18×35cm
重さ:900g
快適温度:10℃
最低使用温度:5℃
中綿:化繊
(恐らく)中華ブランドLICLIの寝袋です。このブランドはHelinoxのコピー商品とかも作ってた気がします。
こちらの寝袋はマミー型のようですが、封筒型で、開いて使うことも出来ます。
コスパはかなり良いです。
限界使用温度 −10℃ 〜 0℃
登山では3シーズン、オートキャンプでは冬でも温度次第では行けるかもしれません。
Snugpak (スナグパック) ナビゲーター
使用サイズ:220×80cm 収納サイズ:Φ24×40cm
重さ:1.75kg
快適温度:-2℃
最低使用温度:-7℃
中綿:化繊
世界各国の軍隊への供給実績もあるイギリスのアウトドアブランドSnugpakの封筒型寝袋です。
スナグパックの寝袋は6万円近くするイギリス製のものも有るのですが、こちらは中国製の廉価モデルになります。
そのため、値段も比較的安いですが、限界使用温度は−7℃と意外とスペックは高いです。
中綿には保温性能の高い化繊が入っているので丸洗いも可能です。
評判も良いので、おすすめですね。
ISUKA (イスカ) エア450X
使用サイズ:207×78cm 収納サイズ:Φ16×35cm
重さ:840g
最低使用温度:−6℃
中綿:ダウン
登山派キャンパー以外にはあまり知られていない国産ブランドのISUKA。国産ブランドならではのしっかりとした作りに定評があります。
こちらのマミー型エア450Xは、最高クラスのダウンを使用しており、寒さに敏感な足元部分などにダウンを多めに入れるといった3D構造を採用し、保温力も高いです。ダウンならではの軽さとコンパクトさも特徴ですね。
登山ブランドならではの上質で洗練された造りは、満足できること間違いなしです。
NANGA (ナンガ) オーロラライト 600DX レギュラー
使用サイズ:記載無し(身長175cmまで) 収納サイズ:Φ17×31cm
重さ:1050g
最低使用温度:−11℃
中綿:ダウン
こちらもあまり知られていない国産シュラフブランドのナンガ。ナンガはメイド・イン・ジャパンを徹底しており、非常に高品質なシュラフを生産しています。
ナンガの特徴は、圧倒的な品質と、ダウンシュラフの永久保証です。ダウンシュラフに関しては、修理を無料で永久に保証しています。自信のなせる技ですね!
こちらの寝袋スーパー1000は、ダウンではないものの、最低使用温度−10℃と、非常に温かく、手頃なお値段で購入できます。
限界使用温度 −14℃以下
真冬のキャンプ、冬の登山など完全に冬に利用する場合です。
真冬のキャンプであってもこのクラスの寝袋を使用することはあまりないかもしれませんが。
冬山での使用など、極寒の地で使用する方に。
NANGA (ナンガ) オーロラ900DX レギュラー
使用サイズ:210×80cm 収納サイズ:Φ20×37cm
重さ:1550g
最低使用温度:−37℃
中綿:ダウン
NANGAの最高級モデルです。最高品質のダウンを惜しみなく使い、オーロラテックスという特殊加工を表面に施してあるので、シュラフカバーは必要ありません。
最低使用温度は−37℃で、快適使用温度は−22℃と、圧倒的なレベルのスペックを誇ります。
真冬の北海道キャンプや雪山登山などで活躍してくれるでしょう。
イスカ(ISUKA) デナリ 1100 ブリック
使用サイズ:208×84cm 収納サイズ:Φ24×38cm
重さ:1900g
最低使用温度:−30℃
中綿:ダウン
イスカの最高級モデルのダウンシュラフ。イスカの技術の結集です。
厳冬期の登山に最適なモデルで、ゆったりとしていて寝苦しさがないのが特徴です。
最後に
今回は寝袋についてまとめてみました。
これから寝袋を買う方の参考になれば幸いです。
ピローケースやインナーシーツ、コンプレッションバッグなどのオプションについてもこれから記事を書こうと思っていますのでお楽しみに!