以前クーラーの選び方の記事で少し紹介したイエティのクーラーですが、見事にパクられオマージュされまくっています。
今回は高級クーラーブームの火付け役であるイエティクーラーの紹介と、他社の類似クーラーをご紹介します。
YETI Coolersとは?
まず、「イエティクーラーってなんなの?」という方のために説明していきますね。
自分たちが納得できるクーラーを
イエティクーラーとは2年ほど前から日本でも販売が開始され、一躍大人気となったクーラーボックスブランドです。
創業者である兄弟、Roy Seiders と Ryan Seidersの二人は、アウトドアに身をおく生活の中で、従来のクーラーボックスの耐久性や保冷性能に不満を持っていました。
「自分たちが納得できる最高のクーラーをつくろう」
そんな思いから2人は2006年に『YETI Coolers』を立ち上げ、最強のクーラーを作りました。それが、イエティクーラーの始まりです。
クマでも壊せない最強のクーラー
結果として完成したのは、上部7cm弱、横5cmのウレタンによる圧倒的保冷性能と、グリズリーでも壊せないほどの頑強さを誇る最強のクーラーでした。
どう考えてもオーバースペックです。
しかも最強を目指しオーバースペックにした結果、当然ながら値段も従来のクーラーよりとんでもなく高くなってしまいました(笑)
しかしながら、クマでも壊せないその頑丈さと、高い保冷性能、そして巧みなプロデュースでイエティクーラーはあっという間に大人気となりました。
こちらがアメリカ中のアウトドア男達を刺激した、男心くすぐられる宣伝動画です。このCMを見たら欲しくなっちゃう気持ちは分かりますね!(笑)
グリズリー社が元祖?
米国には1983年創業の『Grizzly Coolers』というブランドがあります。
こちらも堅牢なクーラーボックスを作っている会社で、『YETI Coolers』とよく似たデザインです。
2社の関係性はわかりませんが、創業年で言えば元祖はグリズリー社です。
しかし、YETIクーラーは留め具部分に特許出願中の独自技術のラバーラッチを用いるなど、ディティールは異なりますね。
また、後発のYETIクーラーが大人気となったことから、マーケティングはYETIクーラーの方が上手だったようですね。
高価格帯クーラーが続々登場
さて、イエティクーラーが日本に上陸し、大人気になったのにあやかって、国内各社も続々と高価格帯クーラーボックスを販売し始めました。
まぁ、節操ないと言えば節操ないですが、商魂たくましいとも言えますよね(笑)
ほとんどがIGBC認定商品
これから紹介するこれらの高価格帯クーラーは全てIGBC(アメリカ省庁間グリズリーベア委員会)による品質認定を受けています。(スノーピークのクーラーは不明)
つまり、グリズリーに襲われてもクーラーの中身は心配ないという事です。
日本ではヒグマがいる北海道くらいしかこの認定は必要ありませんがまぁそのぐらい半端ないゼ!ってことですね。
後発ブランドはYETIに無い魅力を出せるのか
ただ、個人的には各社の「YETIの波に乗ろう」という思惑は通用しないと思います。
YETIクーラーは国内アウトドアファンに既に最強クーラーとしての知名度とブランドを根付けました。
後発がこの波に乗ろうと思っても本物志向の消費者にとって元祖はYETIクーラーです。後発組によっぽどの魅力がない限り、この市場はYETIに分があるでしょう。
よっぽどの魅力というのは、例えばYETIに準じるスペックでありながら60%程の価格で非常にコスパに優れていたり、YETIに劣らないブランド力を持っていたりです。
もしくは、YETIよりもっと男心をくすぐる付加価値があるとかですね。そういう点を後発ブランドには期待したいですね。
高価格帯クーラー紹介
さて、それではYETIとその波に乗って販売された高価格帯クーラーを紹介しましょう。
YETI Tundraシリーズ
(イエティクーラーズ)YETI COOLERS yeti-002 タンドラ/ クーラーボックス/ 35qt Tan YT35T
まずは本家本元より、YETIクーラーです。高価格クーラーというジャンルを広く普及させ、新しい市場を切り開いたブランドとして有名ですね。
カラーリングはタンとホワイトの2色でしたが、スカイブルーもあるようです。
ウレタンの厚みは上面が7cm弱、側面及び底面が5cmと、非常に分厚いです。保冷日数の表記はありませんが最高クラスの保冷力を持っています。保冷力とかに関しては別記事↓で解説していますのでそちらをどうぞ!
また、南京錠が掛けられたり、頑強さ故に椅子として使ったりなど、ハードユースに応える作りとなっています。
Coleman Esky シリーズ
Coleman(コールマン) クーラーボックス エスキー/55QT ホワイト 3000002623
アウトドア界の巨人Colemanが売りだしたのがこのエスキーシリーズです。コールマン史上最強の6日の保冷力とヒグマにも耐えうるタイトセキュリティーが売りだそうです。
最初にこのクーラーを見た時は、「完全にYETIのそれじゃねーか・・・」と思ってしまいました。
定価はYETIとほぼ同じ(実売価格はやや安め)、重量はYETIよりやや重め、カラー展開はホワイト1色のみという、YETIに勝てるとは思えないスペックですが、逆に人と被らないのがいい人にはいいかもしれません。
特徴は、底部のウレタンの厚みがYETIを上回る6.5cmということ。これによりカタログ上ではYETIを上回る保冷力を持っています。また、蓋の裏側に樹脂製のまな板が収納されている点もポイントです。
snow peak ハードロッククーラー
スノーピークもついにハードクーラー界に進出してきました。高価格帯クーラーは、いままでハードクーラーを出していなかったスノーピークにとっては理想とする路線だったのかもしれませんね。
こちらのハードロッククーラー、実は先述の『Grizzly coolers』とのコラボ商品だそうです。流石はスノーピークですね。(笑)
グリズリー社のクーラーであれば、後発であっても本物志向の消費者たちを納得させるクオリティがありそうです。
さらにスノーピークの持つブランド力が加われば、YETIではなくsnowpeakを選ぶ理由としては十分ですね。
スノピユーザーは今までは他はスノピで揃えていても、ハードクーラーはYETIやColemanのものを使っていたと思います。しかしこの商品の登場でクーラーもスノーピークを選ぶことが出来るようになりました。
落ち着いたカラーリングも他のクーラーにはないものです。ただとにかく高い。
igloo yukonシリーズ
igloo(イグルー) クーラーボックス YUKON COLD LOCKER ユーコン 50 DarkTan/Tan 00044860
アメリカンクーラーの代表的ブランドiglooにも、YUKONという最強クーラーシリーズが有ります。こちらも販売開始は2013年っぽいので、米国でのYETIのヒットに対抗して作られたのだと思います。
YUKONシリーズの特徴は豊富なカラーリングとステッカーによるデザインの多さです。ステッカーがなんともアメリカンな雰囲気を感じさせますね。
性能も値段もYETIとほぼ同じだと思われますので、デザインで選んだら良いと思います。
また、高価格帯クーラーでは珍しくホイールタイプも販売しています。
PELICAN ELITE シリーズ
1975年創業の米ワークアクセサリーブランドであるペリカンも、2012年頃にクーラーを発売しています。
ペリカンは自社の業務用品のノウハウを活かして、ハードユースに耐えうるクーラーを発売しました。
アメリカでは特に釣り人に人気ですね。iglooと同じくカラーが豊富で、ホイールタイプもあります。
ウレタンの厚みは文句なしの前面約6cmで、カタログでは7〜10日間の保冷効果があるそうです。保冷能力で比べると最強はペリカンかもしれませんね。
現在国内では代理店も少ないので、手に入れづらいですが、米国では永久保証まで付くそうです。国内では正規代理店での購入の場合3年間の保証ですが、状況によっては永久保証も考慮するそうですよ!
最後に
高価格帯クーラーの雄、YETIとそれを追う各ブランドのクーラーはどうでしたか?
今後も楽しみな高級クーラー戦争を制すのは一体どこなんでしょうか?
オーバースペックだからこそ、所有欲を如何に満たすかが大事
極端な話、日本のキャンパーでYETIのスペックのクーラーが必要なのは、ヒグマのいる北海道のキャンパーくらいでしょう。
それでもYETIが売れたのは、やはり持っているだけで所有欲を満たしてくれるカッコいいアイテムだからです。
YETIクーラーのあるキャンプは、所有者にとってキャンプをよりワイルドでタフなものに変えてくれるのでしょうね。
たかが道具、されど道具。
今回はそんなYETIクーラーのお話でした。
トップ画像 & アイキャッチ画像 出典: youtube