衣服や日用品に欠かせないコットンですが、同じコットンでも、品種や産地によって、大きく差があります。
高級な衣服は何が違うのかというと、デザインやディティールも違いますが、何より素材が違います。
今回はコットンの種類についてまとめました。
1. コットンの善し悪し
コットンの繊維は長さ方向に対して天然のねじれを持ち、これが強度を高めています。また、繊維の中がマカロニのように空洞になっており、これが優れた吸湿性、保温性、通気性をもたらしています。
また、コットンの善し悪しの基準のひとつに、繊維長が有ります。糸はコットン繊維を撚って作りますから、細い糸を作る場合、使用する繊維は少なくなるので、長い繊維が必要になります。
そうした理由から、コットンの繊維は、長く、細く、撚り(ねじれの事)の回数が多いほど、さわり心地が良く、上質で高級とされています。
更にそこに加えて、それぞれの品種によってロウ成分の量などの違いがあるため、光沢の違いなどがあります。
2. コットンの産地、品種
コットンは繊維の長さ別に大別すると3種類に分ける事が出来ます。まずはそれらの品種と産地についてです。
短繊維
繊維長は約10~20mmと短繊維で、紡績には向きませんが、繊維が太く丈夫で、ヘタりにくい特徴があるので、布団やクッションの中綿として利用されています。
短繊維のコットンで代表的なものはインド原産のデシ綿で、木綿と呼ばれるのはこの品種です。
中繊維
繊維長は約22~28mmで、中間の太さの繊維です。
代表的なものにアップランド綿、世界の綿生産量の約90パーセントを占める、ほとんどの衣料品のコットンはこのアップランド綿といっても過言ではありません。
原産地はメキシコで、アメリカ、オーストラリア、中国、インドなどで生産されており、アメリカンコットンの代名詞はこのアップランド綿です。
長繊維
繊維長は約29~38mmで、細く、長い繊維です。最も高価なコットンはこれらの種類になります。
代表的なものに、スーピマ綿、海島綿、エジプト綿等が有りますが、いずれも生産量が少なく、希少とされています。コットン全生産量のうち、長繊維の生産量はわずか8パーセント程です。
スーピマ綿は、長繊維綿の中でも比較的安定した生産量を誇ります。最近はユニクロなんかでもスーピマ棉のTシャツが手に入りますね。
長繊維棉の特徴は、シルクのような風合いを持つ事です。
3. オーガニックコットン
オーガニックコットンというものがあります。
オーガニックコットンは、オーガニック農産物の生産基準に従い、農薬、肥料の厳格な基準を守って生産されたコットンです。
オーガニックコットン製品は、生産から加工を経て製品となるその全工程で、化学薬品の使用などの環境負荷を最小限に抑え、かつ労働の安全性や児童労働といった社会的規範を守った製品にのみ許される呼び名です。
普通のコットンとの違い
普通のコットンは、生産の段階で大量の化学肥料と農薬が使われていますが、農薬残留量はとても低く、収穫時点ではオーガニックコットンと違いはそれほどありません。
では、オーガニックコットンを買うメリットは何なんでしょうか。
違いは、コットンの生産に伴う環境、社会への配慮です。
生産段階でおおくの化学物質を使う綿花栽培は、労働者の健康を蝕み、健康被害も多いです。また、環境への負荷も気になります。オーガニックコットン製品は、それらを改善する事が出来ます。
地球環境への配慮などは人間のエゴですが、労働者の生活、安全を守るという点ではオーガニック製品は優れた製品だといえます。
4. カラードコットン
出典:http://nossabossa.jp/?mode=f2
コットンの色は通常、漂白された後染色されています。それに対してカラードコットンは、天然で色が付いているため、色落ち、変色の心配が無く、何より肌に触れる製品として化学染料が使われて無いのは嬉しいですよね。
とはいっても、色のバリエーションが少なく、グリーンとブラウン系の色しかありません。自然な風合いが好きな方にはカラードコットンも気に入るのかと思います。
今回はここまでにします。コットンの品種については歴史背景も含めて、もしかしたら別記事で書くかもしれません。