おいしい肉をおいしく調理する為に、まずは肉の焼き方を知って欲しいですねぇ。
以前ステーキについて調べましたが、焼肉ではどうすれば美味しく焼けるのか?部位によって焼き方は違うのか?今回はそこに迫ります。
1. 焼肉での焼き方とは?
焼肉には焼肉の、ステーキにはステーキの美味しい焼き方が有ります。
まずはこの2つの違いについて考えましょう。
1-1. 焼肉とステーキの違い
まず、焼肉とステーキはまったく別物だという事を理解してください。
大きく違うのは、肉の厚みです。
ステーキでは分厚い肉をじっくり焼く事で表面をカリッと、中は肉汁を残したままジューシーに焼く事が理想です。
(詳しくは別記事ステーキは弱火で?ステーキの焼き方の新常識を参照)
それに対して焼肉では、肉が薄いため、表面がカリッとするまで肉を焼くと焼きすぎる場合が多いです。
1-2. 焼肉にはタレ、内臓肉がある
また、焼肉の特徴はタレの概念と内臓肉(ホルモン)の存在です。
タレに漬け込んだ肉を焼く事でメイラード反応を促し、美味しく焼くことができます。
そして、内臓肉も焼肉の醍醐味です。ホルモンやレバー、ミノなどですね。
焼肉には多くの肉の種類があり、それに適した焼き方があります。
2. 何度も裏返していいの?
original update by Tatsuo Yamashita
よく、裏返すのは1度だけ、という人が居ます。
何故?と聞くと肉汁が逃げるといいますが、裏返す事で肉汁が逃げる理由については説明できませんよね?
2-1. ステーキで考えてみる
ステーキでは、強火で何度も裏返す方法の方が内部に肉汁を多く含む事は調理科学の第一人者であるハロルドマギー氏によって指摘されています。(左が1度だけ裏返したもの、右が何度も裏返したもの 両方強火で内部温度は同じ)
出典:http://magazine.shokuikuclub.jp/kitchen/20131216_050022/
内側に肉汁を残すためには、全体から均一に火を通していくのがベストです。
焼肉の肉はステーキの肉より薄いので、火が通りやすいです。裏返す事によって焼き加減を確認できますから、失敗のリスクは減ります。わざわざ1度の裏返しのタイミングにこだわる必要はありませんよね。
また、肉を焼く際に重要なのは火加減です。肉の火加減を調節するためには、
- 火力を管理する
- 肉を動かす
この2つが考えられます。1度しか裏返さない派は、火加減調節の1つの選択肢を自らつぶしているといえます。
2-2. 実用性の側面から見る
肉は一気に高温で熱する、もしくは65~70℃以上で熱するとタンパク質の変性により収縮するので、弱火でじっくり調理するのがよいといわれています。
しかし、一人ならまだしも、友人や同僚と焼肉屋に行き、うんちくを垂れた挙句、全員に弱火で焼くことを強要するのはかなりウザいです。ある程度のトークスキルがなければイタい人になりますから、そこらへんはよく考えて下さい。
さて、一般的には焼肉屋では大体が中~高火力で焼きますよね。早く焼けますから。そこで弱火を提案するのはハードルが高いです。
となると、火加減の調整は火力を変えるのではなく、肉を動かす事でしか出来ない訳です。
ここで裏返しが重要になります。
裏返しならば、強火であっても何度も裏返す事で弱火と似たような効果が得られ、全体から満遍なく火を通す事が出来ますし、焦げるのも防ぐ事が出来ますね。
3. 部位毎の焼き方
やっと本題です。肉の種類も豊富なので、焼き方も豊富です。
その中でも人気の部位をいくつかピックアップして焼き方をまとめました。
カルビ
出典:琉球本舗
基本的に油の多い赤身肉という認識でよいです。
肉の厚みにもよりますが、表面をカリッと焼いたら、裏返して全体から均一に熱を通しましょう。
肉が薄い場合は、表面がカリっとするまで焼くと焼きすぎなので注意です。
ロース
出典:米沢牛専門店さかの
カルビに比べて油が少ない赤身肉の認識でokです。
油が少ないので両面をサッと焼く位で。表面が焼ければいいくらいの感覚です。
焼きすぎは禁物です。
タン
出典:伊達哉
タンは分厚いものはステーキの要領で、弱火でじっくり焼いた後すぐ食べずに肉を休ませて肉汁を落ち着かせます。
薄いものは片面だけ焼いて火が通れば食べましょう。
ホルモン(小腸・大腸・丸腸)
出典:ナリナリドットコム
強火だと脂が落ちてしまいますから、中火でじっくり焼いて脂を暖めていきます。
しっかり面倒を見て育てれば、脂はそのままに口解けはとけるようなホルモンが味わえます。
今回は以上です!皆で美味しい焼肉を食べてくださいね!