炭火料理は何故美味しいのか?ガス遠赤外線とかは聞くけど具体的には何なんでしょうか?
BBQや七輪、囲炉裏で食べる炭火焼き料理を考えます。
1. ガスとの違い
炭火焼とガスは大きく何が違うんでしょうか?
ガス火との違いをまとめました。
1-1. 熱伝導の種類
熱の伝わり方には、対流熱、伝導熱、輻射熱の3種類があります。
- 対流熱・・・気体や液体が移動する事による熱伝導で、暖かい空気が上に昇る現象がコレ。
- 伝導熱・・・直接接する事による熱伝導で、熱したフライパンの上で焼くのはコレです。
- 輻射熱・・・電磁波による熱伝導で、空気中、真空中でも伝わるが、遮蔽物で途切れる。太陽光がコレ
ガス火の場合は、主に対流熱で、炭火の場合は、主に輻射熱で加熱されます。
そして、炭火でよく聞く”遠赤外線”こそが、この輻射熱なのです。
1-2. 遠赤外線と近赤外線
炭火調理の特徴の一つに輻射熱、つまり赤外線があります。よく炭火は遠赤外線によって内部まで熱が・・・という記述を見かけますが誤りです。
炭火は遠赤外線と近赤外線を放出しており、
- 遠赤外線は食材表面で熱に変わり、表面をカリッと焼き上げる効果
- 近赤外線は食材内部数ミリまで達し、内部に熱が加わる効果
この2つの効果によって、表面を固めて旨みを閉じ込めながら、内部まですばやく火を通す事が出来ます。
また、赤外線は、電磁波なので、風の影響を受けません。そのため、焼きムラ無く焼くことが出来ます。
燃焼中の炭からは、「遠赤外線」と「近赤外線」が放射されています。ガスなどの炎と違い、風の影響を受けないため、アウトドアでは最も有効な熱源です。波長の違う2種類の赤外線効果で、大きな食材でも表面から内部まで、同時に加熱することができます。
1-3. 炭火は水分を含まない
ガスの燃料は主にメタン(CH4)やプロパン(C3H8)、ブタン(C4H10)です。
これらは構造に水素(H)を多く含みますので、燃焼の際に水分が発生します。ガス火で調理すると、鍋に水滴が付着するのを確認できるのはこの為である。
対して炭は、ほとんどを炭素(C)で構成されているので、表面がパリッと焼きあがります。
1-4. 燻煙効果で食欲をそそる
いわゆるスモークの事です。
脂の出る食材(肉や魚など)を炭火で焼くと、食材の脂が炭に落ちて煙が出ます。この煙が食材に味わい深い香りを付着させます。
1-5. ミネラル、カリウムで旨みUP!
炭や焼けた後の灰にはミネラルや、カリウムが含まれています。調理中に食材に灰が付着する事が有りますよね?
灰はアルカリ性なので脂肪酸を中和し、これが旨み成分のアミノ酸を増す効果があるそうです。
炭火焼料理って特有の味というか、食べたときに分かりますよね?あれは燻煙効果や灰によって香り付けされているのです。
1-6. うちわ一振りで超高温に
炭火の温度は300~600℃程ですが、うちわで一振りすると一気に1000度付近まで上昇し、とめると600℃まで下がるので、繊細な温度コントロールが可能です。
2. 遠火の強火で焼く
「遠火の強火」という言葉を聞いたことがありますか?
炭火で美味しく焼くためには、遠火の強火が最も適しているといわれています。
2-1.美味しい炭火料理は「遠火の強火」
直火で炭調理をした場合、食材の表面温度は250~300℃程になるのですが、これは高温すぎます。
表面を焦がさないように焼くためには130~150℃が丁度よいといわれています。
また、水分の多いものは170℃で焼いたり、逆に水分の少ないものは100℃程で焼いたりと、食材に合わせて火力も調整する事が重要です。
表面を焦がさずパリッと、中まで火を通す為には遠火の強火でじっくり焼くのが最も効果的なわけですね。
まとめ
炭火調理の美味しさの秘密は理解して頂けたでしょうか?
この記事を読んで是非炭火料理に興味を持っていただけたら良いなと思います。
この記事を書くにあたって炭の世界も調べたので、近い内に炭についての記事も書けたらなと思います。